
思考する営業 BCG流営業戦略
ボストンコンサルティンググループ(BCG)の杉田浩章さんの著書。
本著は、営業戦略策定の考え方と、それをいかに営業現場に浸透させるかということについて、きちんと各論に近いところまで書かれています。
営業戦略策定のプロセスとして、ユニ・チャーム社の事例が抜粋されている中に興味深いものがありました。
営業組織というのは、普通売上数値目標を掲げて、目標数値に対してどのくらい売り上げているのか、という指標でオペレーションされています。ユニ・チャーム社でも、どうように売上目標での管理をされていたのですが、それまでと同じオペレーション、マネジメントを繰り返してもブレイクスルーはないという経営判断により、売上目標をすべて撤廃、行動目標に差し替えたそうです。
具体的には、一日の顧客訪問数や、1ヶ月間に同一顧客を数回訪問するなど、売上には直結しない営業活動の行動数値をKPIとし、クリアできているかどうかというマネジメントの変更したそうです。当然ながら、それまでに業績を上げていた営業マンとしては、自由度を削がれる内容ですから、大きな抵抗もあったようですが、結果としては、いわゆるトップ営業マン以外の普通の営業マンも業績をアップすることができて、全体の底上げにつながったそうです。
考え方のベースとしては、全員に三割バッターになれと言ってもなれないが、毎日バットの素振りを1000回やる、といった行動目標であれば、平凡な選手でも誰でもできるというもの。毎日1000回素振りをする中から、何人かは、三割バッターとして頭角を現してくる人材もいるはずだという仮説が、見事にヒットしたということだそうです。
具体的に必ずこなせる行動目標に落としていくことは、コーチングにおいても非常に重要な要素です。
コーチとクライアントのコミュニケーションにおいて、すぐに次の行動を起こせるように計画をし、実際に行動を起こしてもらう、といったことを引き出すのは、まさにコーチングのキモです。
本著では、小さくスタートして、うまくいく方法論が確立した際に、一気に水平展開するところまで書かれています。
一般的なコーチングでは、基本的に個人を相手に行うコミュニケーションなので、水平展開までいかないことも多いと思いますが、エグゼクティブコーチング、ビジネスコーチングにおいては、水平展開も含めた成果を求められるケースも多いように思いますので、非常に参考になる部分が多かったです。
エグゼクティブ・コーチング、ビジネスコーチングに関わるコーチ、興味を持たれている方は一読の価値があると思います。
目次
はじめに 営業を再生する
第1章 最前線で何が起きているのか
第2章 なぜ営業は変われないのか
第3章 営業パラダイムを変えた企業
第4章 「科学の目」で切り込む
第5章 営業TQMを成功させる10のポイント
第6章 改革を後戻りさせないためのノウハウ・ドゥハウ
第7章 営業TQMを成功に導くリーダーシップ
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